筋萎縮性側索硬化症

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロンの変性により、随意筋の筋力低下と萎縮が進行する病気です。病気の強い部分によって、球麻痺型(しゃべったり、飲み込んだりする機能の低下が目立つ)、上肢型(両腕の筋力低下が目立つ)、下肢型(足の筋力低下が目立つ)に分けることが可能です。これらのタイプの違いにより、それぞれの患者の特に困ることが変わってきます。球麻痺型では、しゃべるのがうまく出来ずコミュニケーションに支障が出ますが、初期は字を書くことでコミュニケーションが可能で、また歩行も出来ます。一方、上肢型の患者は手の細かい動作がうまく出来ませんが、移動は可能です。下肢型はベットの上ではほとんど不自由がありませんが、ベットから移動することが困難です。それぞれの病型により、患者の必要な介護が変わってきます。

有病率は人口10万人あたり2~7人で、男女比は1.5:1で男性に多いとされています。
発症年齢は60歳前後が多く、50歳以下の発症は25%程度とされています。最近の高齢化に伴い70歳以上の患者も増えています。
病気の進展は比較的速く、人工呼吸器を用いなければ通常は3~5年で死亡するとされています。

今までは、リルテックという飲み薬のみしか薬の無い状態でしたが、2015年にエダラボンという薬剤が新たにALSの治療に認められました。この薬は点滴で使用します。基本的に2週間の点滴治療と2週間の休薬を繰り返していきます。