治験

治験(ちけん)とは、医薬品(もしくは医療機器)の製造販売に関して、その承認を得るために行われる臨床試験のことです。治験にいてその薬剤の有用性が証明されないと世の中に新薬として登場することはありません。ですから治験は新薬開発にはどうしても必要な過程です。わたくしは現在まで多くの、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病などの神経疾患に関する治験を行ってきました。特にアルツハイマー病はその患者数も多く、増加してきており、その治療法の開発は急務です。しかし、世界的に見ると10年以上新薬が出てきていない状況であり、是非とも新たな新薬開発に貢献したいと考えています。

現在アルツハイマー病に使用が認められている薬剤は、以下の4種類です。

ドネペジル(商品名:アリセプト)
ガランタミン(レミニール)
リバスチグミン(リバスタッチパッチ、イクセロンパッチ)
メマンチン(メマリー)

これら4種類の薬剤のうちドネペジルを除く3種類の治験に参加し、開発に協力しました。またレビー小体型認知症に唯一認められているドネペジル(アリセプト)の治験も参加しました。また残念ながら最終的に薬効を証明することが出来ませんでしたが、これら以外の多くの治験も実施してきました。

治験では必ず、偽薬群が作られます。偽薬群とは効果の無い物質で作られたにせの薬(偽薬)を投与されるグループです。このグループに入ってしまうと、結果的に新薬は投与されていないため患者にとっては治療のメリットがあまりありません。しかしこのグループがあることにより新薬の効果を証明できるわけです。ですから、治験の参加に関してはもちろん新しい薬の効果への期待もあると思いますが、次世代に対する新薬開発の研究に協力するというボランティア精神を持っていただくことが必要になります。先ほども述べましたがこの過程を経ない限り新しい薬剤は誕生しないのです。現在行われる治験では通常このようなグループを30%から50%作ります。そのことを治療が行われないのではないかと不安に思われる方もいらっしゃると思いますが、通常行われる治療は行った上で、新たな薬剤の効果が検討されますので、偽薬群になったとしても通常の治療は行われるため不利益はありません。

現在当院で実施している治験

  • 1.開発中の新しいお薬が早期のアルツハイマー型認知症の進行を遅らせることができるかどうか検証する治験
    【治験にご参加いただける方の主な条件】
     50歳~85歳の男女
     情報提供者がいらっしゃる方
    情報提供者とは、パートナー・配偶者・友人・または親戚で、数回の通院に同行することができ、治験に参加される方と定期的に連絡をとっていて、健康状態の変化を伝えられる方です。
     最長で約4年間、当院に通院できる方
    この治験は、1年半のご参加をお願いしておりますが、その後、お薬の効果を確認するために、長期間の経過観察を行う治験を予定しています。

    ※この他にも条件があります。詳しい内容はお問い合わせ下さい。
  • 2.開発中の新しいお薬が軽度のアルツハイマー型認知症の進行を遅らせることができるかどうか検証する治験
    【治験にご参加いただける方の主な条件】
     55歳~85歳の男女
     過去6ヶ月間に、記憶力が徐々に低下した方
    または、
    軽度のアルツハイマー病と診断された方
     情報提供者がいらっしゃる方
    情報提供者とは、パートナー・配偶者・友人・または親戚で、数回の通院に同行することができ、治験に参加される方と定期的に連絡をとっていて、健康状態の変化を伝えられる方です。
     約3年間、当院に通院できる方
    病状の進行を遅らせることが出来るか、効果を評価する為に長期間の来院をお願いする事になります。

    ※この他にも条件があります。詳しい内容はお問い合わせ下さい。
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